Okinawa 沖縄 #2 Day 184 (21/05/22) 旧真和志村 (16) Kohagura Hamlet 古波蔵集落
旧真和志村 古波蔵集落 (こはぐら、クファングヮ)
- 古波蔵公民館
- 古波蔵拝所
- ウシジャーの神の井戸 (ウシジャーヌシンヌカー)、火の神 (ヒヌカン)
- 兼久原之嶽 (カネクバルヌタキ)
- 日本陸軍熊本鎮台沖縄分遣隊駐屯地跡
- 行田谷原之嶽 (ユクタヤバルヌタキ、古波蔵神社、行田谷原産土神社)
- 漫湖公園
旧真和志村 古波蔵集落 (こはぐら、クファングヮ)
1880年 (明治13年) の人口を見ると、真和志間切の中で、識名に次いで人口の大い地域だった。これはまだ、楚辺、壷川、松尾などが分離独立前という事情がある。楚辺、壷川、松尾の分離独立後の人口は、旧真和志村の中では少ないグループに転落している。現在の人口もそれ程多くはなく、少ないグループになっており、人口の減少は続いている。漫湖沿岸を埋め立てた小波蔵地区 (三丁目、四丁目) は真和志区ではなく那覇本庁区管轄になるのだが、埋め立て前の小波蔵の人口とほぼ同じ人口規模の住宅地となっている。ここ数年は世帯数は増加しているのだが、人口は毎年減少傾向にある。
真和志間切 (真和志村、真和志市) の他の地区との人口比較では、明治時代までは、人口は識名に次いで2番目に多い地区だったが、戦前までに甚句は減少し、少ないグループに転落している。沖縄戦直後の小波蔵の人口は、戦没者や他の地域への転出者もあり、明治時代人口の4割程度からの再出発だった。 戦後、早い時期に立ち入り禁止地区から解放されたことや、漫湖河川沿岸の埋立で、工場屋住宅地が建設され、那覇市中心に近い事、戦後那覇港の工事などで仕事を求めて移住してくる人も多くあり、人口は急増している。
この埋め立て地区は本庁管轄にはなっているが、元の地域と本庁地区を合わせると、旧真和志村内では3番目に人口の多い地区に発展している。かつての古波蔵村の地域から分離独立した松尾、壷川、楚辺を含めると、2020年末では21,507人で最も多い。(那覇市の人口は31万人なので、旧古波蔵村地域は6.7%の相当する)
- 御嶽: 古波蔵の嶽 (神名: アヤフト御 イベ、在 楚辺)、城嶽 (神名: アヤクヒヤ御イベ、在 楚辺)
- 殿: 涌田之殿 (王之殿 在 楚辺)
- その他: 兼久原 (カネクバル) の嶽、行田谷原 (ユクタヤバル) の嶽
古波蔵集落訪問ログ
古波蔵公民館
古波蔵拝所
公民館の敷地内に鳥居が置かれた拝所がある。當地聖烈鎮守善神と刻まれた石が祠内に納められている。この拝所についての詳細は見当たらなかった。
ウシジャーの神の井戸 (ウシジャーヌシンヌカー)、火の神 (ヒヌカン)
古波蔵児童公園の前の道を少し降った所、丘陵の斜面にいくつもの祠が並んだ拝所地がある。入り口にはコンクリートで蓋がされた井戸がある。ウシジャーの神の井戸 (ウシジャーヌシンヌカー) という。ウシジャーの神とは何の神かと思い調べると、古波蔵の湧き水で作っていた豆腐を古波蔵ウシジャーと呼んで、かつては人気食で、ほとんどの家庭で作っていたそうだ。この地に移住してくる前からウシジャー作りがされていたとあるので、19世紀初頭には作られていた様だ。また、公設市場近くで販売していたという。そのウシジャーの神を祀っているそうで、豆腐作りに使われた井戸なのだろう。井戸の隣の祠には火の神 (ヒヌカン) が祀られている。豆腐作りには水と火が不可欠なので一緒に祀られているのかも知れない。の拝所の隣にある。
兼久原之嶽 (カネクバルヌタキ)
日本陸軍熊本鎮台沖縄分遣隊駐屯地跡
行田谷原之嶽 (ユクタヤバルヌタキ、古波蔵神社、行田谷原産土神社)
漫湖公園
かつて琉球王国の時代には、この地は干潟でなく、満々と水をたたえた水辺であり「大湖」と呼ばれていたが、1600年代半ばに琉球を訪れた中国の冊封使が沢山の水を湛えた風景に感銘を受け、「漫湖」と名付けたと伝わている。1960年代からの埋め立ての影響で、泥の広がる干潟へと変わってしまっている。干潟にはマングローブが生い茂り、国内でも有数の野鳥飛来地となっており、ラムサール条約に日本で11番目に登録されている。古波蔵側の公園は、対岸の豊見城の公園よりも規模は小さいが、テニスコート、野球場、ジョギンスコースがある。ジョギングコースの両脇は桜並木になっており、春には桜が咲き誇っていた。
この古波蔵集落の後、樋川、楚辺などを巡った。訪問記は別途。
参考文献
- 真和志市誌 (1956 真和志市役所)
- 那覇市史 資料篇 第2巻中の7 那覇の民俗 (1979 那覇市企画部市史編集室)
- 沖縄風土記全集 那覇の今昔 (1969 沖縄風土記刊行会)
- 歴史散歩マップシリーズ 真和志まーい (1989 那覇市教育委員会文化課)
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